縄文杉

 

縄文杉とは —

屋久島の深い森にひっそりと佇む 縄文杉(じょうもんすぎ) は、屋久杉の中でも最大級の老大木として知られています。樹高25.3メートル、胸高周囲16.4メートルという圧倒的なサイズを誇り、樹齢は2,000年から7,200年と諸説ある神秘性を帯びています。

その表面には激しい凹凸が刻まれ、屋久島の雨風、四季の変化を受け止め続けてきた歴史が感じられます。 過剰な踏圧から根を守るため、現在は展望デッキが設置されており、木肌に触れずともその存在感を間近で見上げることができます。

縄文杉を目指すトレッキングは、屋久島を旅する中でいちばんの達成感を得られる道のり。森を歩き、沢を渡り、巨樹と向き合う時間は、自然と対話するような体験となるでしょう。

縄文杉トレッキング完全ガイド —

屋久島の森を歩き抜き、時間を超えた生命と出会う――それが 縄文杉トレッキング の醍醐味です。

標高約600メートルから始まる荒川登山口を出発点に、まず「トロッコ道」を約8キロメートル歩きます。かつて屋久杉を運ぶために敷設された線路跡をなぞるように進むこの道は、比較的平坦で森の入り口として穏やかな風景が広がります。

トロッコ道の終点あたりで、大株歩道に入ります。ここからは山道が始まり、登りや根の段差、湿った地面など自然の起伏を感じながら歩く区間が続きます。ウィルソン株や大王杉、夫婦杉といった名木にも出会いながら、歩を進めるごとに森林の深さが増していきます。

縄文杉の標高はおよそ1,300メートル。登山口からの往復距離は約22キロメートル、所要時間は8〜10時間ほどを見込むプランが一般的です。 この道のりには標高差や体力的な負荷もありますので、早朝出発が望ましく、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。

屋久杉の中でも最大級とされる縄文杉の樹高は25.3メートル、胸高周囲16.4メートル。その威厳ある佇まいは、訪れる者を圧倒します。幹肌の波のような隆起や瘤(こぶ)、年月が刻んだ複雑な紋様が、見る角度によって異なる表情を見せてくれます。 また、この木を守るために設けられた展望デッキからは、木を間近に見上げつつ足元を安全に保てるよう配慮されています。

ただのトレッキングではありません。四季折々の森の変化を感じ、苔むす大地の静けさを味わい、沢のせせらぎや風の音とともに歩むその時間が、旅の記憶を深くしてくれます。屋久島の雨が育んだ自然、水量豊かな気候、そして原生林の懐で過ごす時間――どれもがこの体験を特別なものにします。

安全かつ快適に歩くための準備は欠かせません。登山靴、防水性のあるウエア、雨具、予備の衣服、十分な飲料と行動食、携帯トイレなどは必携です。 また、登山バスの運行時間、車両乗入れ規制など事前確認も重要です。3月〜11月には登山口への一般車の乗り入れが制限されるため、屋久杉自然館からバスで移動しなければなりません。

縄文杉トレッキングには、自然保護と登山マナーも伴います。展望デッキ外に出ない、植生を傷つけない、ゴミは持ち帰るなどのルールを守ることが求められます。 登山道では喫煙禁止区間も設けられており、喫煙の際は指定場所を守ることが求められています。 また、山岳部利用の集中を避けるため、混雑が予想される時期や時間帯は配慮が必要です。

体力に自信がない方や初心者には、ガイドツアーの利用もおすすめです。経験豊かなガイドによるアドバイスや安全配慮が旅の安心感を高めてくれます。 延泊してゆったり歩くプランを選ぶ人も多く、その場合は山中泊や小屋泊の選択肢もあります。

縄文杉との出会いは、ただその姿を見るだけで終わるものではありません。長い時間を背負ってきた木との対話、その森の静寂の中で自分自身を見つめ直す時間が訪れるでしょう。歩きながら目に映る森、小杉谷の廃屋跡、名木たち、それらすべてが旅のストーリーを彩ります。

屋久島を旅するなら、この道は必ず心に残る道になります。森の鼓動を感じながら、大地と時間の記憶を胸に刻む。縄文杉トレッキング は、それを叶える旅の一歩です。

 

基本情報

住所
鹿児島県熊毛郡屋久島町
電話番号
   0997-43-5900(屋久島町)
営業時間
通年
休日
無休
料金
交通アクセス
(荒川登山口まで) [車] ・宮之浦港から「屋久杉自然館前」まで約40分、屋久杉自然館から荒川登山口バス停まで登山バスで約40分。 ・屋久島空港から「屋久杉自然館」まで約20分、屋久杉自然館から荒川登山口バス停まで登山バスで約40分。 ※詳細なアクセスは関連リンクからご確認ください ※バスチケットは前日までに購入ください ※登山口から縄文杉までは徒歩往復約8~10時間です
駐車場[3~11月] 屋久杉自然館前約160台 [12~2月] 荒川登山口約20台

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